ご無沙汰しております。
色々ありまして中々ブログが書けませんでしたが生きております。
さて、このシリーズでは今までテレビ朝日版の十津川警部シリーズの劇用車を紹介してきましたが、今回は打って変わって、TBS版十津川警部シリーズの劇用車についてご紹介していきます。まずはTBS版について少しご紹介。
『西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ』は、1992年から2015までTBS系月曜2時間ドラマ枠で全54回放送された長寿番組。主演は渡瀬恒彦氏、古くはチンピラだのクーデター企てる自衛官だの映画での悪役側としてのイメージが強い方でしたが、1990年台にはテレビドラマの主人公を演じることが増え、本シリーズはテレビ朝日系「タクシードライバーの推理日誌」シリーズと並んで渡瀬氏のライフワークともいえる作品でした。
相方となる亀井刑事は伊東四朗氏。1960~70年代にはてんぷくトリオの一人としてお茶の間を沸かせ、70年代後半からは俳優業も開始、1983年にはNHK連続テレビ小説「おしん」で主人公の父親役に抜擢。このドラマでは渡瀬氏も出演。こちらは主人公の初恋の人と、妙なところで両氏に接点がありました。そして1992年。両者このドラマシリーズで再び顔を合わせることになります。
テレビ朝日版との明確な違いはその作風。TBS版は原作の流れを忠実に再現しつつも、ハードでシリアスな展開なのが特徴でした。
何しろシリーズ序盤は十津川は奥さんいるのに事件関係者の女と関係作りまくるしシリーズ中盤になってくるとラストは事件関係者が撃たれて十津川が看取るというビターエンドの連続でした。
そんなこのシリーズですが、テレ朝版と同じく、劇用車はメーカー固定などはなく、様々なメーカーの車が駆り出されていました。覆面車では初期はY31セドリックを使っていたりもしましたが、ほとんどはクラウンやカローラ、マークⅡ、ビスタなどお馴染みトヨタ車という感じでした。しかしテレビシリーズ11作目の今作は、劇用車マニア界でもたまに語られるほどの異色回でした。
あらすじ
南伊豆で、女の腐乱死体が上がる。その報告は都内で発生していた連続レイプ事件と同一の手口だった。捜査のために伊豆へ飛んだ十津川亀井両名は、その道中で高級レンタル会社「キミヅカ」主催の美男・美女コンテストに出場する男女3人組と出会う。ところが翌日、その出会った3人の内の1人が都内で遺体となって発見される。その手口は、連続レイプ事件に近しいものだった…。
TBS版では最多6回の登場を誇る伊豆を舞台とした作品(ロケがしやすかったんでしょうね)
容疑者の一人として、若かりし山本耕史氏が登場。TBS版はゲストが濃く、他にもブレイク前の阿部寛氏や渡瀬氏の元奥さんである大原麗子氏。50作記念には実兄渡哲也氏との兄弟対決が実現したりしました。
そんな今作冒頭、最初のレイプ遺体が発見された現場に臨場したのは…
ローバー・600
1993~1999年までイギリスローバー社によって製造されていたミドル級車。
かのダイアナ妃のプライベートカーとしても有名だった車両。
日本では1994年から販売され、UKポンド安もあって1か月に約1000台を売り上げました。
そんなんで流通台数が多かったのかなぜか今作では劇用車、それもメイン覆面車として起用。もちろんですが日本の覆面車にこんな車両は使われません(それどころか本国ですら使われてない)かなり思い切った采配でした。
そして静岡で起きた事件の聞き込みにより、怪しげな車が目撃されたという情報が出る。その車というのが…
ポルシェ・928
1978年に開発された911の後継モデル。スポーツ性能とラグジュアリー性を兼ねた車両として企画され、一部の911オーナーも取り込むことに成功した、説明不要の高級車の象徴の1台。この車種が選定されたのには理由があり、原作の流れを汲んだための採用でした。
さて、その希少さからあっさりオーナーを絞り込んだ十津川班。いつ動き出すかわからないため張り込みを行います。
張り込みを行ったのはトヨタX90系マークⅡ。ローバーと並ぶ今作のサブ車です。
この個体と同一かはわかりませんが、他の作品にも登場しています。
そしてついに動き出したポルシェ、それを追うべく張り込んでいた覆面車で追跡しますが…。
何故かS130クラウン2000スーパーデラックスにすり替わっていました（途中で交代した？）このクラウン、特に破壊されたわけでもないのでただ入れ替わっただけでしょうか。
クラウンは必死に追いますが、トラックに道を阻まれ見失います（入れ替えるとするならこのため？）
その後マークⅡは別の刑事が運転して再び登場します。
そして、再び張り込みに戻るマークⅡ。事件の容疑者が固まりつつある頃、ポルシェのオーナー（容疑者）が突然ポルシェに乗り旅に出ます。
それを追うマークⅡ。行き先は伊豆でした。
連絡を受け、静岡県内を疾走するローバー600。この回は珍しく渡瀬さんがメインで覆面車を運転していました。元はアクション畑で育ったうえ、運転技術はピカ1でしたからもっと運転機会あったらいいのにとか思うんですが…。
一方ポルシェは、山道にもかかわらずゆうに200kmを（!?）超えるスピードで暴走します。そしてポルシェは造成地へ、そして次の瞬間…
ポルシェは崖下へ転落し爆破。なんと、まさかの転落爆破破壊です。
当時からしても928は高級車、バブル期でもないのにそれをぶっ壊すとはどれだけ予算あったんだこの作品…。
引き上げられるポルシェ。見るも無残な姿です。これで被疑者死亡で事件解決…かと思いきや、どうも十津川はその死に納得がいかず…。
終盤、犯人が生きていることを突き止めた十津川たちに、関係者の女性が証拠探しに伊豆へ旅立った情報を得て十津川たちは急行。
その女の乗ったタクシー。まごうことなきセドリック営業車ですね。何気にサンルーフ、TLアンテナ付きです。
ラストに登場した静岡県警のパトカー。
覆面車は何度か出てたんですがはっきりとした特定は難しく…。
車の登場はここまで。今回は印象的な二台の外国車が活躍する回をお届けしました。
このシリーズは早くからハイビジョン制作になったので比較的高画質素材が多いんですが、この頃はまだそんな画質もよくないので低画質です…。
本当はテレ朝版を進めたいのですが…資料不足の為揃え次第再開します。
それまでは、他の作品なんかを中心にやっていきますかね。とりあえずはこのTBS版と、他の作品1本か。
それではまた。
2024.2/19追記 Tver再放送記念で画像を差し替え、記事追加しました。皆さん是非一度見てみて下さいね。
