こんにちわ。先日書いたブログで、こんなことを書きました。
「TBS版十津川全体でメインがセドリックだったのは恐らくこの回だけかと」
しかし、調査を続けた結果、もう1本あったことが判明しました。
今回はその問題の1作、「十津川警部シリーズ4 函館駅殺人事件」(1994)からご紹介します。
西村京太郎作品のメインは列車か、列車で行った先の町での話かのどちらかが多いんですが、一つシリーズとして存在したのが「駅」を舞台にした作品たちです。西村作品の初期に多かったタイプの一つでした。
このTBS版は1992年の放送開始からしばらくは、この駅シリーズを映像化していました。今作はその4作目となります。
以下ネタバレ注意
人気カメラマンが殺害される事件が発生。犯人は元同業者で、出所したばかりの轢き逃げ犯だった。十津川亀井コンビは、犯人につながる唯一の女を追って北斗星5号で函館へ向かう。しかし、そんな彼らを追ってきた女にことごとく妨害を受け、犯人を逃がしてしまう。十津川は、女が元自分の教え子で会ったことを思い出す。交通課勤務だった彼女は、4年前、ある轢き逃げ事件で冤罪を起こしていた。その逮捕された人間こそ今回の犯人だった。警察をやめた彼女はなぜ、彼をかばうのか?
冬の函館を舞台に十津川警部が風邪にも負けず奔走する。
今回の警部は終始風邪をこじらせており、本調子ではない場面が見られます。
また今作から山村紅葉氏演ずる安原刑事が初登場。TBS版の紅葉枠としてシリーズを支える準レギュラーになります。
それでは車両紹介。
冒頭、東京で犯人の女をマークする十津川亀井コンビの覆面車。
いきなり、前回のブログの根底を覆す車両が登場、Y31セドリックです。グレードは読みにくいですがブロアムか?
実は今回の作品、協力企業の一つに日産プリンス函館販売が名を連ねており、その関係から今回のメイン劇用車は日産車中心となっているようです。
今回はほとんどの場面で、亀井刑事が運転席、十津川警部が助手席というパターンが見られます。亀井刑事自身が運転することはシリーズ通してあまり見られません(前回紹介した17作目でも助手席でした)
女がタクシーに乗ったのを見て、その後を追う。
もはやおなじみのS130クラウンタクシー。日産車メインのはずのこの作品ですが、タクシーまでは手が回らなかった?
2人の乗るY31ですが、全体が写る走行シーンはここだけ。
その二人を追う怪しい女。車は9代目U13ブルーバード。赤いのにブルーバード
1991年にデビューしたタイプで、セダンとハードトップで大きく変わりましたがこちらはハードトップ。ハードトップには「ARX」という愛称がつけられました。
実はこいつについて調べたところ、日産の広報車説が浮上しました。もっとも、単に塗装もグレードも同じなだけなのであくまで偶然かもしれませんが…。
そして、今回の犯人が4年前に引き起こした轢き逃げ事故の回想シーン。
事故自体は夜だったために車種特定はほぼ不可。ですが、事故車だと特定されるシーンでリアが写りました。ベンツだったんですね(肝心のグレードが見切れてますが…)
10/25追記 W126 500SE前期らしいです。
なお事故シーンのカースタントは高橋レーシングが担当。同社はこの他にも何作かでカースタントを担当しています。
函館に到着し、先に北海道入りしていた安原刑事と現地警察と合流した二人。
函館日産が提供したのはY31セドリックGT!セドグロ最高グレードでもある「グランツーリズモ」の初代モデルであり、セドグロで初のVG20DETエンジンを搭載したモデルでもあります。グロリアの方は、デビュー間もない1989年から「もっとあぶない刑事」で劇用車として登場。こちらは日産の広報車だったものが、劇場版「またまたあぶない刑事」のリハーサル時に前面を派手に破損する事故を起こしたため、セントラルアーツ所属になったというちょっといわくつき…。
函館での張り込みシーン。TLアンテナを搭載していますね。
内装もチラッと伺えます。スポーティなエクステリア。メーカーオプションではありますが、カーナビの元祖とも言えるマルチAVシステムの搭載も可能でした。
場面は飛んで終盤。先導は6代目x80系マークⅡセダン
日産提供の筈なのに(ry
そして、ようやくアップで姿を拝めたY31GT
こいつも広報車だったりしませんかねぇ?色こそ同じですが…。
というわけで今回はここまで。まさかここまで日産車がメインで使われる作品があるとは思いませんでした。もっとあるかもしれないのでまた探してみます…。