2時間ドラマの車をまとめるブログ

1980〜2000年代2時間ドラマ(主に火サス、土ワイ)に登場する劇用車(破壊・非破壊問わず)を特定してまとめているブログです。車知識が偏ってる為間違ってたら指摘ください。

劇用車から見るテレビドラマ⑭「十津川警部シリーズ5」

こんにちわ。

今回も前回に引き続きTBS版から「十津川警部シリーズ5 会津高原殺人事件」をご紹介します。前回は日産車が主力となった回をご紹介しましたが、この回でも、日産車が登場します。それもビックリするようなのが。

以下ネタバレ注意

事件が一段落し、捜査本部で泊まり込んでいた十津川の元に、血まみれの記憶喪失者を保護したとの連絡が入る。男は自分が「高沢明」だということ以外、何も覚えていなかった。調べにより、彼が雑誌社のカメラマンであることが判明する。何かの事件に巻き込まれたのだろうと考える一課の元に、福島で「高沢あきら」という名の「女性」が殺されたとの連絡が入る。会津へ飛んだ十津川亀井コンビは、彼女の血痕と、東京で保護された高沢明の衣服についていた血痕が合致する。

そんな中、彼の元恋人が訪れるが、記憶は戻りそうにない。そんな中、明が精神病院から脱走する。十津川は彼の元恋人を伴いある確信をもって会津へ飛ぶ。そこで待ち受けていたのは、新たな殺人だった…。

記憶喪失の容疑者、高沢明が会津で見たものを追う今作。高沢を演じたのは、あの阿部寛氏。今でこそトップ俳優の一人そしてHPがシンプルな同氏ですが、この作品に出る前は、「あの人は今!?」に出るような不遇の時代。そこからの復活を試みる転換期に当たっていました。その後、2000年に「TRICK」で再ブレイクを果たし、現在に至る地位を確立していくこととなります。今では絶対見られないような阿部寛の演技にも注目したい一作です。

それでは車両紹介。

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冒頭、上野の路上を血まみれでふらつく高沢明を保護するシーン。

血まみれとあってただ事ではなく、自転車からパトカーまで。

そのパトカーですが、フロントがほとんど見えません。31?と思いますがテールが異なりますし、マークⅡ?と思ってもミラーの形状が違いますし、セドグロ?と思っても車体長長いし…結局のところ分からずじまいですね…。

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高沢明が乗ってきた車が発見されたシーン。福島ナンバーの盗難車。

ソアラ」とセリフがありますので見えにくいですが当時現行型の3代目Z30かな?

ソアラトヨタの新しいイメージリーダーとして、世界レベルで通用する国産車として1981年に登場。当時のトヨタの最新技術は、まずこのソアラから採用されるほど、トヨタのイメージリーダーカーとしての印象を強めていました。

ライバルとして有名だったのがあの日産レパード。初代ソアラのヒットを受けて、打倒ソアラを目指し、クーペ1本で、エンジンラインアップを並べたものの、ハイパフォーマンスを売りにした2代目には到底かなわず…。結局、3代目では4ドアでニュータイプの高級車となります。しかし、あぶ刑事のヒットで人気があるのはご存じの通り。

またこのZ30は、1997年に後期型が高速隊の覆面車として導入され、全国各地の警察に覆面車として活躍していた経歴を持ちます(そのお値段、セドの約1.7倍!)

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現場に、十津川たちの乗る覆面車が到着。Y31セドリックセダンです。
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こっちにもY31。こちらはエンブレム的にグロリアっぽいですね。

この白パト。もしかしたら仮面ライダークウガの初期話で破壊された個体の一つか?
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福島の現場から帰って、東京の精神病院に入った高沢明を見舞うシーン。

ランプはつけてますが、サイレンは鳴らしていません。

さて、このセドリックのナンバー。見えにくいですが「44-61」と読み取れるのがお分かりでしょうか。

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実はこれ、以前紹介したトラベルミステリーに登場したY31とナンバー数字が一緒なんですよね。恐らく同一個体とみて間違いないかと。

まさかテレ朝版とTBS版で、劇用車が同じになるとはビックリでした。
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尚、この回では他に「56-22」のセドリックも使用されました。

よく見るとマスコットがあったりなかったりしてるような…?もしかしたら他ドラマとの兼ね合いで、クラシックとブロアムを交互に使っていたとか?ここら辺は想像の範囲ですが…。

事件を進める中で、十津川はある大物代議士に目をつける。十津川は亀井にその男の身辺調査を頼むが、代議士はなかなか取り合ってくれない。
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代議士が車に乗り込み、行ってしまうシーン。

グリル的にはジャガー?と思ったんですがこの頃のXJシリーズは丸目なんですよね。

調べなおしたところ3代目JG50型日産プレジデント前期で確定かと。1990年にデビューした当時現行型プレジデントです。この回も日産が嚙んでたのか…?

そんな中、高沢明が姿をくらましたという。十津川が急行する。
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夜に並ぶ2台のセドリック。妙に揃った奇麗なナンバーは劇用車であることを予感させます(西部警察用の35-21の影響かな)

高沢は会津へ行ったのだと確信した十津川は、志願してついてきた彼の元恋人を連れ、再び会津へ飛ぶ。
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福島ロケでは一転して、9代目S140系クラウンがメインに(実は紹介していませんが、序盤の福島のシーンでもチラッと登場していました)TLアンテナを搭載しています。

途中からは十津川がハンドルを握ることに。

十津川と亀井の捜査の結果、高沢明が会津へ取材に来た日に、交通事故が起きていたことが判明。どうやら、その事故には、かの代議士が関わっているらしい…。

そんな折、高沢明が死体で発見されたという報告が入り、十津川が急行する。

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臨場するクラウン。その下は見切れててわかりませんね…。

現場に上がった死体は高沢明の名刺を持っていただけの別人だった。聞くと死体は刑事で、かの交通事故を地道に調べていたという。

そして立て続けに、また高沢明の死体が見つかったと報告が入る。しかし今度もまた、彼の名刺を持っていただけの会津日報の記者だった。彼も、この交通事故のことを調べていたらしい。

そして翌朝、当の高沢明が河原で倒れているのが発見される。

何者かに突き落とされたらしいとの判断だった。

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ここにきて新しい覆面車が登場。7代目トヨタマークⅡです。バリバリの現行型ですね。

高沢明は無事でホッとする一方、亡くなった刑事の資料から、交通事故の捜査詳細が明らかになる。
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子供がぶつかった位置とバンパーの位置から、車種を一台一台調べ上げ、そして明らかになったのが画像の車種。86年式ロールスロイスシルバースパー(SPUR)

1980年から99年まで販売されたブランドで、これはその初代に当たります。

使ったのは中古車販売のチラシでしょうか。この翌年モデルが3000万円台での販売だったのでそこから比べると当時の20%程のお値段でしょうか。

このシーンはほかにも様々な車が写りますが、一瞬なので興味がある方はどうぞ…。
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その交通事故における回想シーン。

高沢明が借りたレンタカーです。この距離で車種はわかるのか…。

亀井の捜査により、ロールスは代議士のものだった可能性が判明する。しかも当の本人は事故後、ロールスを廃車処分にしていた。

そんな中、高沢明がおとりに出たと情報が入り急行する十津川亀井。f:id:TeraTore:20230929180126j:image

ここのスピンターンは見もの。この回のスタントは「大友千秋とラッキー」が担当。

ロールオーバーこそありませんが、派手なアクションを見せてくれます。
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高沢明が動いたことを知った犯人グループも彼を消すために動き出します。

車種は初代WD21型日産テラノ。日産が製造していたSUVで「パスファインダー」の名で海外展開も行っていました。

このカラーの初代テラノと言えば映画「いつかギラギラする日」(1992)でのカーアクション。中古とはいえ現行末期(モデルチェンジは1995年)のテラノと、新車導入のボンティアック・ファイヤーバードと、それを追う警察車両とのカーチェイス。最後にテラノはパトカーを踏み台に海へ飛び込む(実際はクレーンで釣り上げて撮影)など、派手な大暴れを見せていました。

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明の元恋人と、彼の主治医を乗せたマークⅡと白パトが遅れて到着。

恐らくさっきの現場にいたのもこの白パトですかね。Y31かな。
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犯人は十津川亀井コンビの活躍で全員確保される。

明も向かってくる犯人の足をナイフで刺したことにより記憶を取り戻す。だが、それらを含めた余罪もあり、マークⅡで連行されていった…。

今回はここまでです。そういえば、この9月末からBS朝日の金曜夜19~20時枠が2時間ドラマ再放送枠になったんですよね。ワンチャン三橋版やってくれないかな…?と密かに期待をしています。