いつの間にか年が開けてしまいました…。本年もよろしくお願い致します。
今回も混浴露天風呂連続殺人事件シリーズの劇用車を紹介していきます。
まず15作目ですが、今回において、シリーズは転換点を迎えます。
なんと、左近山口コンビが原宿分室から浅草分室へと異動。これによって新キャラクターとして2人の部下ポジションである火野正平氏演じる倉本一平警部補と、片桐はいり氏演じる大沢室長が登場。新たな展開を迎える今シリーズ。どうなるのでしょうか。
それでは15作目(1995)から
今回のメイン車はマツダ ユーノス800。原宿分室時代にはなかった専用の覆面車です。
当時の平成不況もあってか出張費をとにかく抑えたい大沢室長の判断で、今作ではこの車を使い倒すことになります。
恐らくですがこの個体は前作(14回)で使用された物と同一個体と思われます。今回は一気にメイン級の扱いですね。
途中で左近達が出会う赤い車。
トヨタSW20。MR2の名前でも知られるミッドシップカー。頭文字Dにも出てましたね。
途中で登場したレンタカー
乗用車ベースの4WD。かつSUVに近いスタイリングとパッケージで登場した車種。
ドラマ放映前の95年8月にモデルチェンジしました。
レンタカーはもう一台。4代目G200系ダイハツシャレード前期。バブル期設計の為に装備品やメカニズムはしっかりしていたものの、スタイルやキャラクター的には地味で中途半端な印象になってしまったモデル。それもそのはずで、元々シャレードの本質として展開していた1リッターエンジン/ディーゼルエンジンを廃止してしまった為、少々名ばかりになってしまったのでした…。
途中、容疑者の乗ったセドリックタクシーを追う為、山口警部が宿の車を借りるシーンも。
追われる車が日産車なら追う車も日産車。
日産バレットセレナ前期。現在も続く日産のフラッグシップモデル。セレナの最初のモデルになります。元々バネットコーチのフルモデルチェンジとして登場した為にバネットの名前を継ぎましたが、94年のマイナーチェンジ時にセレナ単独の冠名になり現在まで使われる愛称に。
その後の活躍は皆様ご存知の通り。
一方、いつものように一旦浅草へ戻った左近警部。今回は分室の車を使用して捜査にあたります。
今回の覆面車は2代目T180トヨタカリーナED
JAFマーク(?)付きですね。
カリーナのハードトップという立ち位置。ハイソカー(高級乗用車)ブームの波に乗って絶大的な人気を誇りましたが、この2代目の頃からハードトップが敬遠され始め、結果この次の3代目をもってカリーナEDの名は消えるのでした。
そして再び那須へ。セドリックタクシーですね。
続いて第16作(1996)ここから、土曜ワイドにEDテーマが付けられるようになります。
浅草で起きた強盗事件の被害絵画が贋作である可能性が浮上し、本物の鑑定の為左近山口コンビは長野へ
珍しい?グロリアタクシーですね。セドリックと違い、こちらは中々お目にかかれません。
今回の主力レンタカーはローバー100シリーズ。1980年にイギリスのオースチン社が「オースチン・メトロ」の名でミニのクラスを補う目的の車として登場。その後様々なブランドが扱う中、最終的にローバーのみが引き継ぎ、90年にモデルチェンジし「ローバー・メトロ」に。
この時日本はミニの上級モデルとして輸入していましたが、さほど人気は得れなかった模様。
その後94年秋のモデルチェンジの際に、日本など海外販売時に使用されていた「100シリーズ」が正式名称となります。
エンジンによってグレード名称が異なりますが一瞬な為見極めは難しいところ…1.4Lガソリンエンジンの114かな…?
長野の2人を追う怪しげな車。車はこの1シーンのみですが運転手は何度も登場します。
7代目トヨタE100カローラ。91〜02年まで展開された息の長いモデルですが、セダンに関しては95年に8代目E110系にモデルチェンジしているので前モデルです。バブル期設計とあってかかなり完成度の高いモデルなのが特徴的。
今回の警察車両は間近で見えるのはこれだけ
1枚目のシーンはほぼガードレールな中唯一見切れた所から抜粋。初代三菱ディアマンテでしょうか。実際パトカーとしても多数投入されました。一方で2枚目は山口警部と倉本刑事が遭遇したひき逃げ事故現場のシーン。
この事故現場には覆面車も見えます
ただパトカー越しなので見にくい…
その轢き逃げの回想シーン。
使われたのはなんと2代目FY32型シーマ前期
ご存知セドグロの上位互換、初代はシーマ現象と呼ばれるほど売れに売れた車両。女優の伊藤かずえ氏の愛車としても有名です。
その流れで91年にモデルチェンジしたのがこのFY32ですが、この頃になるとバブル崩壊による景気後退が重なり、上級セダンの需要低下で販売数が減少していきました…。2010年にその名は消えますが、その名は偉大だった為、2012年にシーマやセドグロの後継車種として登場していたフーガのハイブリット専用車としてY51シーマという形で名前が復活したほど。
轢き逃げではありますが、実際にスタントはしていません。車自体ナンバーがレンタカーですからねぇ…。
続いては17作目(1997)…といきたいのですが、BSの再放送は17作目が欠番扱い。その為いずれ紹介することにして、先に18作(1998)へ
この回はいきなり度肝を抜かれました。
冒頭登場した浅草分室の覆面車。なんと初代クライスラーネオンセダン。まさかのアメ車パトカーです。しかもこの車種、当時北米市場の主力だった韓国製や日本製小型車に対抗すべく開発された車で日本では「日本車キラー」と呼ばれていました。しかしその実態は、日本車以上の徹底的なコストダウン。これによる安値を実現しましたが、日本車相応の設備を付けると小型車はおろか当時のセダンレベルのお値段になり本末転倒。結果的に大失敗に終わるのでした。
そんなネオンは96年からセダン右ハンドル仕様が販売開始。それにしてもこの個体、何処かで見たような気がするんですが…。
現場に臨場するネオンセダン
既にパトカーが現着済。セドっぽいですが肉眼で見るとグロリアかも…?
現場は自動車修理工場とあって、車が何台か止まっています。
1枚目の左はオデッセイ?右側は後にも出てくるので省略。2枚目にあるのはスバルR-2
今回のメインレンタカーは3代目クライスラー・ボイジャー。当時の現行型です。
まさかのスライドドアのファミリーカーが登場です。劇中ではスライドドアに苦労してたり、スライドドアを開けて身を乗り出すシーンも。
この車種はクライスラーの一部門であるダッジが製造販売を行なっており、そちらでの名称は「ダッジ・キャラバン」。しかし日本輸入時に日産キャラバンと名称が被るためにボイジャーの名前になりました。それにしても今回はクライスラーがメインなんですかね?
16作目の様に山口警部が宿の車で重要人物を乗せたタクシーを追いかけるシーン。
遂にこのシリーズにもコンフォートが初登場。
また途中では容疑者一味がクルータクシーに乗るシーンも。こちらも初登場だったかな?
捜査を進める内、左近警部は東京で発生したスーパー現金輸送車襲撃事件にぶつかります。
犯人は現金輸送車を盗難車で襲撃、その後別の車に現金を隠し、冒頭の自動車修理工場に隠したのです。
最初の盗難車として登場したのはE100系カローラ。ナンバーやカラーからして前作の個体をそのまま使ったのでしょう。
そして乗り換えたのはサーブ900ターボ。冒頭でもチラッと登場していました。
初代は80年代に日本でブームとなり、現代でも映画「ドライブ・マイ・カー」にも登場し、メイン車として大活躍しました。
900シリーズは90年代に2代目にモデルチェンジしていますが、初代からは一転現代風なデザインとなりあまり評判は良くなかったとか。
こちらは恐らく当時現行の2代目ですね
続いて19作目(1999)
冒頭事件現場に駆け付ける覆面車
X100系クレスタです。奥にいるのはR31?
今回のレンタカーはトヨタハイエースレジアスウインドツアラー。久々に国産車です。
1995年にハイエースをモデルにグランピアのナローボディモデルとして登場したグランピアの姉妹車。標準グレードの他にスポーティモデルとして設定されたウインドツアラーは、メッシュグリルやエアロパーツ、内装に至るまで差別化されていました。
尚このレジアス、途中で犯人によってパンクさせられてしまいます。
替えのタイヤに交換したことで事なきを得ましたが正直セダン車の登場を少し期待しましたね…
途中出てきた怪しげな車その1
7代目X90系トヨタマークⅡ。近所に1台おりよく見かけますね。
怪しげな車その2
こちらは9代目T170型コロナバン。コロナ最後のバンタイプになります。
県警のパトカー。こちらは先代のx80系マークⅡ.
実際の警ら課パトカーとしても多数使用されました。
一方こちらは別の事件での出動シーンですが、これが精いっぱい…
前の車は特徴的なテールからR31スカイラインだとわかりますが後ろの覆面車はちょっと厳しいですね…。
一旦東京に戻って再度信州入りした左近警部を乗せたアルピコタクシー。お馴染みコンフォートですね。
続いて20作目(2000)。この話の冒頭では不況による合理化の波に分室も飲まれ、なんと浅草分室が閉鎖されることに!
バラバラになってしまう3人は、有給休暇を用いてそれぞれの行きたい所へ赴きますが…。
パラパラアレンジのミッキーマウスマーチが度々挿入歌として登場。左近倉本コンビがパラパラの教えを受けるシーンもある浅草最終作。
序盤、盛岡駅前から母親に声をかけてデートに繰り出す若者。
初代ユーノス・ロードスター。今もなお人気の車種の一つですね。
今回は閉鎖を機にそれぞれが有給休暇でやりたいことをしようと決めた3人。
左近警部はゴルフに繰り出すため、前作に引き続きハイエースレジウスウインドツアラーをレンタル。この青いラインの入ったデザインこそ、ウインドツアラーの象徴だったりします。
一方、左近の泊まるホテルにやってきたのは、温泉好きを活かしてマダムの運転手を買って出た倉本警部補。トヨタのロゴとチェイサーのエンブレムが見えていますが、当時現行にして最終モデルとなったX100系になります。
その夜、このホテルに1台の車が着きます。
11代目T210型コロナプレミオ。
コロナ最後のフルモデルチェンジにして、プレミオのサブネームを持ちました。
このプレミオの名はコロナの後継車種の名前として引き継がれることとなります。
ホテルの車で送ってもらった山口警部。よく見ると左側にいるのは先ほどのコロナプレミオ?となると後期型ですね。当時の現行モデルです。
なおこのプレミオ、後で警察車両としても出てくるんですよね。同個体…?
このコロナプレミオの運転手として登場したのは加納竜氏。印象は変わってしまいましたが、かつては西部警察のリューとして鳴らしたお方。
今回のお色気要員…もとい温泉ギャルズの足はこれ。
130系クラウンセダン…だとは思うんですがちょっと不可解な点が。
この個体、エンブレムがありませんしグリル内にスピーカーのようなものが見えます。
道中、怪しげな電話をしていた車の運転手。
初代RF1型ステップワゴン。現在もお馴染みのホンダのフラッグシップモデルです。
2人の乗る車を追い越していくパトカー。
色々調べましたが後ろの文字が難しく…
カリーナかコロナ辺りでしょうか。
終盤、駐車車両として出てきた7代目T210型カリーナ。カリーナの最終モデルです。
そしてその駐車場から飛び出したのは初代E110N型カローラスパーシオ前期。前年にマイナーチェンジされたばかりのミニバン型カローラです。
ラストシーンの回想で登場したアウディ。
これだけで判断は難しいですがクワトロ?
今回はここまで。このシリーズからのご紹介も後1回を残すのみとなりました。
次回は早めに上げますのでしばらくお待ち下さい。