2時間ドラマの車をまとめるブログ

1980〜2000年代2時間ドラマ(主に火サス、土ワイ)に登場する劇用車(破壊・非破壊問わず)を特定してまとめているブログです。車知識が偏ってる為間違ってたら指摘ください。

劇用車から見るテレビドラマ⑲「混浴露天風呂連続殺人事件1〜5」

ご無沙汰しております。今回から新シリーズ!

土曜ワイド劇場の名物シリーズの一つだった「混浴露天風呂連続殺人事件」シリーズの登場車をご紹介致します。

色々あって地上波再放送(というか土曜ワイドの再放送は今BSのみか…)ではお目にかかれないシリーズですが、なんと先月よりBS松竹東急でシリーズの一挙放送が始まりました。古いシリーズの登場車が見たかった私としてはこれはありがたい。

さて、この作品のメインはあくまで露天風呂と旅先の風景。車の登場も作品により4〜5台出たら良い方と言うほどさほど多くはありません。

ですので今回のシリーズでは5作品毎に区切って、登場車を紹介していきます。

それではまずはシリーズの簡単な紹介を…。

当シリーズが始まったのは1979年5月(トラベルミステリーシリーズ開始の5ヶ月前!)

元々はカーター・ブラウンの「ピンクハンター」を原作とした作品でしたが、2作放映した後、1982年から、基本設定はそのままに奥地の秘湯の混浴露天風呂を舞台としたシリーズに路線変更しました。以降2007年の26作目まで制作されました。このドラマの影響により、無名の温泉地が知られるようになり、秘湯ブームの火付け役となったそうです。

主人公は古谷一行氏演じる左近太郎警部と木の実ナナ氏演じる山口かおり警部補のカップル刑事。時に仲違いしたり公私混同したりしながら全国各地の秘湯で巻き起こる連続殺人事件に挑んでいきます。

脇を固めるのはシリーズ前半では二人の部下として常田富士男(日本昔ばなしのナレーションでお馴染み)氏演じる鉢山部長刑事、上司である金田龍之介氏演じる大平警視が登場。シリーズの前半を支えます。

そんな個性豊かな刑事たちが所属するのは警視庁原宿分室。署ではなく分室という架空の部署で殺人事件の捜査から身辺警護まで手広く行います(作中での言及によれば、原宿分室は警視庁のエリートから選抜された優秀な部署らしい…)

さて、このドラマの特徴として、露天風呂のシーンでは女性が上半身裸で堂々と出てきます。このいわゆるお色気要員は温泉ギャルズとも呼ばれ、主にAV女優が担当していました。

今回はそんなシリーズの記念すべき1〜5作目。この頃の土曜ワイド劇場は、以前話したようにマツダによるスポンサー提供があった頃で、メイン登場車は基本マツダ車です。それを前提として紹介していきましょう。

まず1作目(1982、このコンビのシリーズとしては3作目)

まだまだ試験要素的が強かったのか、それまでとは流れが少し異なるのが特徴。

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冒頭、成田へ向けて走る2台のパトカー

先頭はこの頃の土曜ワイドではお馴染みルーチェ覆面。白パトは…ちょっと不明瞭ですが丸目4灯?

ルーチェはファミリアに続くマツダの普通車として1966年に登場。1977年にデビューした3代目は、日本では珍しい縦配置型4灯式ヘッドライトを採用。その独特なフォルムで数多くのドラマに登場しました。

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海外逃亡した犯人確保に貢献した山口警部補は特別休暇を貰い、バーで働く娘の実家である伊豆の秘湯旅館へと赴きます。

恐らく彼女の愛車、82年式3代目コスモ2ドアHT。こちらもこの頃のマツダの代表車種ですね。

コスモは日本車初のロータリーエンジン搭載車として1967年に登場。72年に初代の販売は終了しますが3年後に2代目コスモAP/Lがデビュー。

81年にモデルチェンジしたのがこのモデルになります。HTの特徴は4灯式のリトラクタブルヘッドライト。ただ今回劇中ではライト展開シーンはありません。しかしこの個性的なフォルムはウケが悪かったのか翌83〜84年のマイナーチェンジ時に固定式ヘッドライトに変更されています。

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話は飛んで終盤、犯人の護送シーン。

唯一の覆面であるルーチェはこの画像では分かりませんがライトバンです。3代目は1981年にモデルチェンジしますが、ライトバンは1988年までマイナーチェンジの上製造されました。

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一方でここでの白パトはマツダ車ではなく定番の2台。クラウンとセドリックが担当した模様

クラウンはクジラクラウンこと4代目S60クラウン4ドアセダン。1971年にモデルチェンジし、この時、車名を以前のトヨペット・クラウンからトヨタ・クラウンに名前を変え、以降現在まで使われています。

4代目の特徴は、スピンドルシェイプと呼ばれる丸みを帯びたボディに、ボディと一体化されたカラードバンパーの採用。クロームメッキが当たり前だったバンパーの概念を覆すことになりました。ここが、クジラと言われる由縁と言われています。

当初は歓迎されたこのデザイン、しかし夏場になるとボディ先端を絞り込んだデザインが災いし、通風不足によるオーバーヒートが頻発したり、取り回しに支障が出るなど不評を買い、結果、歴代クラウン唯一の失敗作と言われることに。それでも、クラウンの歴史を語る上では欠かせない名車です。

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クジラクラウンが不振の中、売り上げを伸ばしていたのがセド/グロ。その当時のモデルがこの230型。日産本体出身のセドリックと旧プリンス出身のグロリアが姉妹車種として統一されるようになったのがこの型からです。

まぁ某作品の影響でそれはそれは個体数が減ったとかなんとか…

因みに出発時は12-54だったナンバーが、ここでは83-64(クラウン、更に言えばルーチェの物と同一?)になっています。
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1回目ラストはクラウンのホイールアップ。そんな詳しくはないんですが一応。調べた限りどうも純正ではなさそう?

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ここからは2作目(1983)。左近山口両刑事は、来日中のアメリカ高官夫人の警護のため、夫婦を装い東北秘湯のツアーに参加します。

ツアーに使用されたバスは後ろに応接室のような物を備えた豪華仕様。劇中ではその後ろのスペースで事情聴取を行うシーンも撮影されました。

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突如2人を襲った車

4代目カペラセダン、多摩ナンバーのレンタカーです。本物なのか提供車にわナンバー付けたのかは不明。

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宮城県警のパトカー

再び230です。ただ前回のとはテール部が異なりますね。というのも230は形態差が多かったようで…ところで、この頃はあちらの方では330が壊されまくって430にも魔の手がかかった頃なんですが実際地方じゃ230を使い倒してたんでしょうかね?

 

一方こちらはラストに登場した覆面車。フロント部はホント一瞬しか写りませんがコスモAPクーペ後期

排ガス規制で各社パワーダウンを強いられる中、ロータリーを武器にハイパワーを維持し続けたのがこのモデル。

因みにプログレスが何なのかはよく分かりませんでした…。

 

続いて3作目(1984)

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冒頭、未亡人開放ツアーなる物に潜入せよと指令を受けた山口警部補を乗せ、羽田にやってきた3代目ルーチェセダン覆面。

1・2作目は成田スタートでしたが今回は羽田に。
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ツアー客を乗せたバス。旧日野のエンブレムが美しいですね。
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相も変わらず山口警部補を追ってきた左近警部を乗せたタクシー。

マツダ車にしては何が違いますしコロナ…はエンブレムが見えないんですよね
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途中現場に臨場した初代シビリアン救急車。

この頃のドラマではお馴染みですね。
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今回2人の足として使われたのはこのジープ。

突拍子もなく突然登場しましたが北海道らしさを考えたらこういうのが合ってたんでしょうか?
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道警の覆面車。低画質ながらこちらも3代目ルーチェセダン。

よく見ると、ホイールキャップがありません。もしくはそういうタイヤだったんでしょうか…?f:id:TeraTore:20231206134745j:image

東京に一旦戻った左近警部を乗せたタクシー

こちらは6代目910型ブルーバードですね。逆三角形のロゴが目印です。

続けて4作目(1985)、本シリーズでは初のカーチェイスシーンが見所。

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事件の鍵を握る旅芸者のワゴン車。勿論マツダ提供時代なので当時現行の3代目ボンゴです。

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容疑者を捜索する為2人かその辺の夫婦から勝手に拝借し、ボンゴと激しいカーチェイスを繰り広げたのは6代目BF型ファミリアハッチバック。ファミリアはマツダ初の小型自動車であり、先代の5代目BD型は社会現象を巻き起こすほどの大ヒットになりました。

劇中ではドリフトにスピンターンも披露。運転自体は木の実氏演ずる山口警部補の設定(実際2枚目や3枚目ではハンドルを握る)ですが流石に途中はスタントかな…?(尚助手席の鉢山刑事はそのまま)

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この回ラストは終盤に左近警部達の足として使用された群馬県警の4代目カペラGCセダン。

2作目のレンタカー個体とは別な筈…多分

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なおこのセダンの色違い個体が被害者の母親の車として登場。

後のネタバレになりますが自動車電話を搭載していた様です。

本日ラストは5作目(1986)。この回は土曜ワイド劇場全体での最高視聴率(関東28.6%、関西36.3%)を記録した特筆すべき回です。

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バーで知り合った女性陣で温泉旅行に出る山口警部補。その彼女らが借りたのは4代目ルーチェ後期型HT。3作目では3代目が出ていましたが、当時の現行はこっち。しかし、この年の9月にルーチェはフルモデルチェンジしました。

型落ちギリギリの姿です。

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一方で彼女らをつける怪しげな車…

中々全体像が写らず(一度あるものの夜のシーン)特定が難しい…判定材料はグリルエンブレムですがカリーナ?クレスタ?とりあえずマツダや日産ではない?
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今作の秋田県警の覆面車。

4代目X60型コロナマークⅡ。84年に5代目にモデルチェンジしたので当時はもう前モデル。

それにしてもナンバープレートが見にくい…

それにしても、この頃になるとメイン車がマツダなだけで後はメーカー問わなくなってますね。

今回はここまで。次回以降何作品かに区切ってご紹介していく予定です。