こんにちわ。今回も前回に引き続きTBS版「十津川警部シリーズ17 越後・会津殺人ルート」(1999)からご紹介。
十津川警部シリーズの映像化作品は多数存在しますが、私の中での1番はこの回ですね。派手なアクションや列車がたくさん出てくるわけではないんですが、渡瀬さんのアクションが光る回です。また、この17作目から、ハイビジョン撮影に移行しています。これはTVドラマ通してみてもかなり早く(参考までに朝日版トラベルミステリーのハイビジョン移行は2006年頃、NHK朝ドラでも2002年から)、TBS版の特徴となっています。以下ネタバレ注意。
東京・井の頭公園で渋谷の高級ホステスの遺体が見つかる。
一課から現場に急行した刑事たちは、遺体の所持していた封筒から、会津若松までの切符と、十津川の名刺を発見する。
亀井刑事に心配されつつ、十津川は切符の通り行動することを決意。翌日正午、浅草から鬼怒川温泉経由で会津へ旅立つ。
一方、報道カメラマン渡辺ひろみは、謎の手紙を受け取っていた。その手紙は、十津川は暴力団幹部と接触している写真だった・・・。
十津川は、車中で受けた謎の女からの電話の指示で、東山温泉から岩室温泉へと向かう。そこで十津川を待ち受けていたのは、殺人事件の容疑者という衝撃的な事実だった…。十津川班は、警部を救うべく奮闘する。
十津川が殺人事件の容疑者として拘留されるというまさかの展開。
十津川班がシリーズ史上1・2を争う危機に直面します。
それでは、車両のご紹介。
今回のメイン覆面車は9代目Y33セドリックブロアム前期。先代に比べて一回り大型化したものの、先代で人気だった「グランツーリズモ(GT)」などは継承。また、バブル崩壊に伴い一部の面でコストカットを強いられたグループです。
今回使用されているのはGTと並ぶもう一つのモデルであるブロアム。TBS版全体でメインがセドリックだったのは恐らくこの回だけかと…。
序盤、十津川を出発駅の東武浅草まで送り届けるY33。
見ると横には個人セドタク。まさかの共演。
会津若松に着いた十津川は、車中で受けた指示に従い、タクシーで東山温泉へ。
おなじみの130系クラウンタクシー。スーパーサルーンの文字が一瞬写ります。
その様子を見る怪しげな男…。今回のゲスト、清水紘治氏です。
この人といえば、「あぶない刑事」の初期レギュラー、県警の柴野刑事。初めてあぶ刑事シリーズを見た後に、久々にこれ見返したらビックリした記憶があります(笑)
十津川は向こうが仕掛けてくるのを待ちかまえつつ、喜多方を観光する。
途中、東京から来た女性記者と食事を共にした後、車に轢かれそうになった少女を助ける。しかしその代償に、亀井から授かった携帯電話を壊してしまう。
少女を助けるきっかけとなった車。車種はXR10トヨタエスティマルシーダ後期。当時の日本では大きすぎたエスティマを、どうにか小型車の寸法にして開発された車両で「子エスティマ」とも呼ばれました。しかし1999年、親エスティマこと本家のモデルチェンジの際統合され、一代限りでその名を消すこととなります。
ナンバーからお察しの通りレンタカー。現地で調達したのでしょうか?
翌日、女性記者は十津川を追って磐越西線に共に乗り込む。実は彼女は、この前日の早朝、彼が人を殺すところを写真に捉えていたのだ…。
そうとも知らない十津川は、彼女と共に岩室温泉へ向かう。
こちらもお馴染み、コンフォートタクシーで岩室温泉へ向かう十津川達。
亀井から心配の電話を受けた十津川は、明日カメラマンを従え帰京すると伝える。
その夜、カメラマンが倒れ、病院へ向かう十津川。しかし目を覚ました彼女は怯える。なんと彼女は、十津川に襲われて倒れたと言うのだ。
翌日、十津川班に衝撃的な電話が入る。それは、十津川を殺人及び殺人未遂の容疑者として拘束したという聞きがたい報告だった…。
新潟県警岩室署の覆面車は8代目トヨタX100型マークⅡグランデ。テールランプの形状的に、前期型ですかね。
十津川拘束の報を受け、奔走する十津川班。十津川不在の状況で、部下を奮い立たせる亀井刑事のシーンは胸熱ですね。
そんな捜査中、犯人につながる人物に結びついたシーン。
このシーンだけ、全員が一台の車に同乗しています。ポイントとしてはエンブレムなんでしょうけど全体写ってないからかヒットせず…
執念の捜査の末、それらしい人物を特定し、首謀者の家へ向かう。
軒先で洗車されているベンツW140。ここから何クラスってわかるもんなんでしょうか。
亀井達執念の捜査により、なんとか十津川は釈放される。本庁では、実行犯は十津川そっくりの殺しのプロだと考え、捜査に当たる…。
ここでセドリックのテールが近めになります。セドリックのグレードのプレートなんですが、どうも映画「猿ロック」で破壊された個体はナンバープレートを挟んだ位置についていたようで…個体差?マイナーチェンジ?
捜査を続ける中、十津川宛の電話がかかる。なんと女性記者を誘拐したという。十津川は指示に従い、静かに出かけるが、様子のおかしいことを察した亀井達はこっそり後をつける。
犯人の指示に従い、クラウンを駆る十津川。久々に渡瀬氏本人の運転シーンが拝めます。クラウンもこの頃からS150系が台頭。長きに渡ってシリーズを支えることとなります。
車は途中尾行に気づかれながらも、子安ふ頭へ向かう。
クラウンに向けられる銃口。一昔前ならフロント撃ち抜いてたんですがそうならないのは演出の都合か。
車から降りた瞬間、十津川を銃弾が襲う。
逃げる十津川を追う殺し屋。本役は渡瀬氏が一人二役担当。
これだとマッドポリスか、あるいは兄譲りか…
一方、子安まで追いかけてきた亀井達のY33セドリックは、途中で見失っていた。
十津川は絶体絶命の中、新潟で新聞記者から託された携帯で何とか警視庁に連絡を取る。その連絡は亀井達にも伝えられる。
報告を受け急行する覆面車。やはり覆面車はパトランプ直乗せに限ります。
一方、人質を残し一人高飛びのため犯人が羽田に乗り付けたセドタク。
そこで見たのは、命からがら生還した十津川の姿だった。
人質救出を急ぐ十津川班。道中で尾行に気付かれたことを思い出し、犯人が監視できる場所の見当をつける。
現場に乗り付けた覆面車。よく考えると、ここに全員乗ってるんですよね。乗りすぎでは…?
今回はここまで。おまけでラストシーンの1コマ。
後ろに写るのはチェッカー無線のタクシー。まさかこんなところでこんな組み合わせを見るとは…(笑)
今回はここまで。個人的に渡瀬版はもう1作ほど紹介したい回がありますが、この回もまた再放送が難しくいつ資料を取れるか…。