こんにちわ
今回も前回に引き続き、トラベルミステリーシリーズの劇用車をご紹介。
今回は26回「特急おおぞら殺人事件」(1994)です。
この26作目ではサイレントながら茂賢治氏演ずる日下刑事が新たに登場(日下刑事自体は過去に第1作と23作で登場済)し、高橋版中期までレギュラー刑事として活躍しました。更にゲストも、この頃はこんな役が多かったあの方が登場。それなりに豪華な回です。尚今回は車紹介の都合上、ほぼ全編ネタバレになります。
予めご了承ください。
あらすじ
札幌で起きた殺人事件の犯人を札幌まで護送した亀井西本両刑事。西本刑事は姪っ子と共に特急「おおぞら」7号に乗り込み、姪っ子の住む釧路へ向かう。
しかし、車中で姪っ子が姿を消す。なんと彼女は誘拐されたのだ。
誘拐の事実を知り途方に来る西本の下へ、明日の「おおぞら」4号に乗れとの指示が犯人より下る。西本の要請で刑事の張り込みもつけてもらうが、なぜか犯人側にバレ刑事達は帯広で降ろされる。
一方、事情を聞いて心配していた警視庁に一報が入る。なんと西本が男女二人に対して殺人を犯したのだという。しかも、その犯人は他でもない姪誘拐の実行犯だった。
釧路東署の調べにより、殺された男はかつて西本が逮捕した男だった。これにより、誘拐は犯人の逆恨みにより行われたものであり、西本はそれに逆上して殺したというのが釧路東署の見解だった。
このままでは西本が殺人犯として起訴されてしまう。十津川班はなんとしても罪を晴らすため、捜査に乗り出す。その真相には、あまりにも悲惨な事実が隠されていた…。
テレ朝版の特徴として、三橋十津川時代はドラマ上での立場が十津川と亀井で入れ替わっていることが挙げられます。この作品は、そんなテレ朝版特有の事情により改変を余儀なくされた話で、原作では亀井刑事の息子がさらわれることになっています。原作重視でのドラマ化は後にTBS渡瀬版で2002年に映像化されました。
さて、それでは本題の劇用車をご紹介。
西本の逮捕を受け、釧路東署へ向かうタクシー。
画質こそ荒いですが、クラウンでしょうか…。
釧路で犯人像を考える十津川と亀井。二人は殺された実行犯に指示を送っていたもう一人の犯人が殺人をしたのではないかと考え始めます。
そんな折、釧路東署へ行っていた清水北条両刑事が、無事に西本の姪が救出されたとの報告をしに駆け付けます。二人の車はクラウン。署の覆面車にはそれらしき車両は見えなかったのでレンタカーでしょうか…。型は当時現行のS140系?ですが、この型は基本ドアミラーだったような…。
救出された姪の証言により、指示役の犯人がいたことが明確になる。
その指示役とは別に、西本を監視していた女の情報を掴んだ亀井。日下刑事が持ってきたモンタージュの写真の女は、釧路で見かけた女だった。亀井は千歳経由で最終のおおぞらに飛び乗り釧路へ向かう。そのおおぞらの車中、亀井は、この女と初めて会った気がしないと思い考えていた。そしてその女が、7年前に西本が逮捕した殺人犯であることを思い出す。その女の面影が、亀井の中に残っていたのだ…。
釧路に着いた亀井は、女が出所後自殺していたこと、写真の女はただの空似であることを十津川から告げられる。翌朝、朝一番で西本に会う亀井。その中で亀井は、彼女を逮捕するとき、彼女の兄が西本を指すように見る目をしていたと話す。亀井は、彼女の兄が犯人ではないかと睨み始めていた…。
ここで登場する有力な容疑者、「結城誠」を演じたのは若かりし頃の内藤剛志氏、氏は後にTBS版31作へのゲスト出演を経て、TBS版2代目十津川役に抜擢されました。ゆえに新旧十津川同士の共演となります。ちなみにTBS版でこの役を演じたのは神田正輝氏。氏も後にテレビ東京、女と愛のミステリー版で十津川警部を演じることになります。なのでこのポジション、偶然ながらどっちも新旧十津川対決になるんですよね。
そんな結城誠の愛車がこちら。ポルシェ928。以前もご紹介したポルシェの傑作車です。こちらは1987年に登場したS4。後期のマイナーチェンジモデルです。
捜査が進むにつれて、結城による復讐であることがほぼ確定的になる。
結城の妹に似た女が殺されたとの報告が入る一方、結城はポルシェを成田に残しホノルルへ姿をくらます。
結城宅のガサ入れ。R31が止まっています。結城が自分たちの先を行っていたことに、負けたのかと思う亀井。結城の妹が出所してから自殺するまでの半年間に、今回の事件の真相があると考える亀井。ふと、結城の妹の部屋の版画を調べると、遺書らしき書きかけの手紙が見つかる。そこに書かれていたのは「許されざる愛」それこそが自殺の本当の真相だった。
一方、ホノルルの結城は身代わりで、本人はまだ国内にいる可能性が明らかとなる。
結城は国内で何をするのか…亀井は、結城が西本を殺すのではないかと危惧。十津川は結城がライフル所有者であることを亀井に伝える。結城の計画に気づいた二人は即釧路へ飛ぶ。
釧路空港で二人を乗せたタクシー。お馴染みクラウンセダンですかね。
十津川亀井が釧路東署を目指す一方。釧路拘置所では、西本の送検準備が行われていた。結城はその最中に、西本を狙撃する計画を企てていたのである。
西本を護送する護送車は4代目H100系ハイエース。当時現行型のハイエースですが元々のデビューは89年で、以降04年まで製造されたロングセラー種でした。
結城の企てが明らかになったことにより、護送車を追跡する釧路東署。
そして護送車は遂に結城の視界に入る。そこに到着する釧路東署のパトカー。しかし、結城はライフルの引き金を引く…!
結果は護送車には命中したものの、弾丸は西本をかすめる。西本は助かったのだ。
ガラスのシーンは別撮りですかね(ハイエースに穴開いてないので)
狙撃の失敗を受け逃げる結城。それを見た亀井たちが追跡する。ということで、前回記事に引き続き再びカーチェイス。
1台目。グリルのロゴが手がかりですが…
8/19追記 釧路東署のパトカー一台目はU11ブルーバード4HTのSSS前期〈83~85年〉とコメント頂きました。ありがとうございます。
こちらはY31ですかね
犯人車はレンタカーという設定なんですが、いかんせん特定が難しい…中々ヒットしません。
8/19追記 レンタカーはトヨタカレンとコメント頂きました。まだまだ私も知識が足りませんね…コメントありがとうございました。
そして釧路の埠頭で車は確保される。だがその犯人は結城ではなかった。
遅れて到着したクラスタJZX90の覆面車。この次モデルのGF-GX100系では、実際に指揮用車や警護車として多数導入されました。
何はともあれ、狙撃されたことにより解放された西本。彼と結城が顔を合わせ、十津川亀井が真実を明かすとき、この壮大な事件の裏に隠された悲しい結末が告げられる…。
というわけで今回はここまで。中々特定が厳しく現在も目下調査中です。テレ朝版は残り2本。終わったら渡瀬版を少しやろうと思っています。それでは。