こんにちわ。今回も前回に引き続き、十津川警部シリーズ13「特急しなの21号殺人事件」(1997)をご紹介します。
意外なゲストや怒涛の展開、ちょっとツッコミたくなるような所も?
以下ネタバレ注意です。
あらすじ
東京都内で男の刺殺体が上がる。男は善光寺の、それも「凶」のおみくじを持っていた。
数日後、中央西線を走行中の特急しなの21号の車内で、女の毒殺遺体が発見され、ここにも、東京で発見されたのと同じおみくじが見つかる。
東京と長野、2つの難事件に両警察が頭を抱える中、マスコミ各社に第三の犯行を予告する予告状が届けられ、数日後実際におみくじを持った遺体が発見される。
一見何のつながりもないように見えた3人の被害者だったが、意外なつながりが明らかとなった・・・。
1997年制作の本作、当時デビュー3年目の383系しなのの周りには、この数年後313系によって置き換えられる国鉄型達が…。
そして長野県警の安木刑事役で登場したのは、後の宮崎県知事そのまんま東こと東国原英夫氏。因みに渡瀬さんとは宮崎県知事時代の2009年、宮崎県知事その人としてタクシードライバーの推理日誌25でも共演しています(ただ再放送ではこのシーンカットされてたような…)
それでは車種をご紹介。
今回のメイン覆面は6代目X100系トヨタチェイサー。
ドラマ前年の1996年9月にモデルチェンジした当時現行型で、チェイサーの最終モデルとなります。特徴として、前照灯にはトヨタ初の「ディスチャージヘッドランプ(HIDランプ)」を採用。また、「強い高級車に乗ろう」のキャッチコピー通り、スポーティな位置づけでした。
今回使用されたのはそのX100系の中でも特に人気の高かったJZX100型ツアラーV。
ターボエンジン搭載のグレードであり、5速MTはX100系全体売り上げの約3割を誇った他、現在でも状態のいいものは中古車市場で高く取引されるとか…。
ただ、そんな人気者だった割に、ドラマにはそんなに出ていない…?
さて、先述の通り、長野で起きた事件のため長野へ向かうわけですが、この時利用したのは特急あさま。原作に合わせたからかもしれませんが、このドラマが放映されたのは9/29。
そうです、このわずか2日後に、北陸新幹線の開業により、特急あさまは廃止となってしまうのです。そう見ると、かなり貴重な記録だったんですねぇこれ。
長野から帰ってきて、中盤の東京での捜査シーンからは再びチェイサー。
白パトは冒頭の場面で出てきたY31セドリックですかね?
捜査の末、次に狙われそうな容疑者の女を突き止め、伊豆~豊橋へ。
しかし時すでに遅く、その女はニセ警官に扮した犯人によってさらわれてしまう。
十津川は県警に応援を要請し検問を張るが、犯人は一向に捕まらない。
暗いですが検問のシーン。冒頭一瞬だけ車が写り、そのあとS150クラウンのシーンに変わります。
本シリーズでもおなじみのS150型クラウンですが、恐らく初登場はこのシーン?
十津川班が犯人の行方を捜す一方で翌日、豊橋西山飛行場に、1台の救急車がやってくる。なんでも、新種の熱病にかかった患者を救うため、ここから成田まで空路で搬送するというのだ。
この西山飛行場、調べてもヒットしないんですよね…かつての豊橋に軍用の飛行場があったのはあったのは確かなのですが、どうも西山ではないようで…ネットの検索候補にも名前があったので架空は考えにくいのですが…。
救急車はお馴染みハイエース。それもH50系です。まだ豊橋にはH100系が配備されてなかったんでしょうかね。因みにハイエースのモデルチェンジは1995年です。
飛行許可は取ってあるため、成田へ向けて飛び立つセスナ。
タイヤからの定点カメラの映像など、ガチで飛行機を飛ばして撮影を行ったものと思われます。
十津川班にもそのセスナ機の情報が入る。それもそのはず、その患者というのは、十津川達が探していた人そのものだった。
十津川は警視庁のブースから航空無線で指示を送る(こんなとこあんの?)
ここで登場するセスナのコールサイン、というか機体番号JA8212。
こちらは調べたところヒットしました。機種はセスナ208で、Honda系列の本田航空の所有機だった模様。2007年4/16で退役したようです。
十津川は、ある予測をしていた。この飛行が犯人によって仕組まれたものであれば、運んでいる患者を消すべく、飛行機に爆弾を仕掛けているのではないかと。
その可能性を考える十津川は、パイロットに不時着を命じる。パイロットは疑いながらも、飛行機を近くの農業空港に不時着させる。
十津川からの連絡を受け、愛知県警と消防が出動する。
パトカーはまたセドかな?
救急車はナンバーこそわかりにくいですが、さっきのと同じ個体かな?
消防車はいすゞフォワードのK-SDR370改が有力ですかね。
聞きなれない名前かもしれませんが、いすゞの中型トラックの代表モデルです。この型は3代目ですかね。
そして患者の避難が行われた後、十津川の見立て通り爆弾が爆発するが…。
雑にもほどがあるだろ。
まさかのお粗末合成。さすがにこの時代でも飛行機爆破は厳しかったか…。
でも過去にY30爆破させてたドラマなのでやって…いやないな、うん。
さて、なんとか重要人物を救った十津川班は、犯人たちとの接触を図るのも狙って、東京への移送に打って出ます。
出発前に警官を集める十津川。
ここからパトカーを2台加えて、豊橋→東京への移送作戦が始まります。
ここからは新たに150系クラウン前期覆面と、R31スカイラインパトカーが追加。
ただこのR31、テールは確かにR31なんですが、フロントだけ見るとそうも思えないような…。
そして注目したいのは隊列。出発時はR31-クラウン-チェイサー-Y31セドでしたが…。
次のカットではセドとスカイラインの位置が入れ替わっています。
そして途中、車をいったん止めた場面では出発時の隊列になっています。
ここで、十津川は同じ車(チェイサー)に乗っていた亀井をクラウンへ移動。
また自身の車を先頭に立たせます。これにより出発時にはR31の前に入る形に。
しかしその後のシーンではR31がどこかへ行ってしまいます(最後方に見切れた?)
さて、なぜ十津川は車を止め、亀井を入れ替えて隊列も変えたのか。
実は犯人グループは、標的の女をおびき出すため、なんと亀井の娘を誘拐したのです。亀井刑事に配慮してのことだったんですね。
十津川と女を乗せたチェイサーは、静岡西貨物駅(恐らく旧東静岡駅?)で女を降ろします。
要求通り、女を降ろして立ち去るチェイサー。
しかし警部だけは犯人に悟られぬよう飛び降りて物陰に潜みます。
ここで、謎の車が現れ、女は動揺するがただの一般車だとわかる。
車種はトヨタハイラックスサーフ。それも当時現行型の3代目N180系です。
ハイラックスというのは国内メーカー唯一のピックアップトラックとして知られるトヨタのブランドの一つ。それをベースにしたSUV車がこのタイプになります。
ですがこの3代目からは、ハイラックスの後継車種であるタコマのグループとなり、パーツ回りもランドクルーザー等と共用でした。
ドラマだと、テレビ東京系列のさすらい署長シリーズでもお馴染みですね。
ハイラックスが過ぎた後、1台の個人タクシーがやってくる。
毎度おなじみのY31セドリックセダン。女は安堵し乗り込むがそれは罠。運転していたには犯人その人。それに気づいた十津川は、タクシーめがけて発砲する。
タクシーは工事現場に突っ込んで停止。
このシーン、フロントなどが壊れているようには見えませんが、一応小破壊ににはなります。前期なので10年落ちだとか(まだこの後17年製造されるんだけどなぁ…)
女を人質に逃亡を図る犯人。
そこへ不運にも一台の軽トラが現れ、運転手を下ろして逃走しようとするが…。
運転していたのは農夫に扮した亀井。十津川の行動を怪しみ、密かに戻ってきていたのだ。犯人を取り押さえた亀井は、自分の娘がさらわれたことを告げられる。
亀井の娘を助けるべく、十津川が下した決断は…?
と、今回はここまでです。
この回も中々再放送されないので見る機会は限られるとは思いますが、真相はその目で確かめてくださいね。それでは。
(追記) 11/1BS-TBSで再放送決定!!ありがたい!!!!